Veera

Rajinikanth, Sentil, Janakaraj Panchu
Arunachalam
Illayaraja
Meena, Roja 1994

  

  

  

  


【ストーリー】

 最初の場面は、ラジニが地方から、音楽家としてデビューするために、チェンナイにきた場面から始まる。そこで出会ったセンティルと互いに力を合わせていく中で、彼らは、《PYRAMID》社の社長令嬢のロージャを助ける。そのことをきっかけに、スター・スカウト・キャラバンで大成功して、ラジニは《Veera》という名でデビューすることとなる。。

 場面は変わって、チェンナイに来るに至るまでの、ラジニの話となる。

 ラジニ(ムットゥ)は、祭りのときに見かけたミーナーに一目惚れしてしまう。彼は、彼女と近づくために、カルナーティック音楽家である彼女の父の下に弟子入りする。下心で始めた事を知ったミーナは、怒ってしまう。しかし、心を入れ替えたラジニは、もともと音楽の才能があったため、ぐんぐん上達し、とうとう、師匠から、もう教えることは無いとまで言われるようになる。そんな彼の誠実な姿に、ミーナも彼を愛するようになり、結婚を誓うようになっていった。しかし、ミーナーを悪漢から、助けたことから、ラジニは自分の母親へ因縁をつけられる。そして、その母親を助け出すために、お金が必要となり、チェンナイへと出てきていたのであった。

 デビューの契約金を持って、ラジニは、帰ってくる。母親を助け出し、彼はミーナーの元へと急ぐ。しかし、ミーナーは、洪水によって、行方不明になってしまっていた。傷心のラジニは、再びチェンナイへと戻るのであった。

 チェンナイに戻ってからのラジニの活躍は、飛ぶ鳥を落とす勢いであった。ロージャは、ラジニを愛するようになり、社長のジャナカラージは、ラジニに結婚話を持ちかける。しかしミーナーのことを忘れられない彼は、固持する。しかし、周りの説得で、二人は結婚することとなる。踏ん切りのつかなかったラジニも、ロージャの気持ちに動かされ、心から彼女を愛するようになっていった。

 二人の仲が上手くいってきたあるとき、ニュースが飛び込んでくる。行方不明のミーナーが、彼の前に現われたのであった。彼女は、洪水で流されたところを助けられていた。しかしその後遺症で、記憶喪失となっていたのであった。しかし、ラジオでラジニの歌声を耳にして、記憶を取り戻し、彼の元を訪れたのであった。ラジニは、まだ全快していない、ミーナーをかくまうように母親の家へと預けることとする。

 ロージャとも別れられないし、ミーナーのことも心から愛している。ラジニは悩む。そこで、グッド・アイディアを閃いたのが、センティル。ミーナーの相手である信心深いラジニ(ムットゥ)と、ロージャの相手であるスタイリッシュなラジニ(ヴィーラ)を別人にすることを思いついたのであった。しかし、その企みは、やはり、無理があった。そして、そのスキャンダルを利用して、復讐しようとする一味が、ラジニに近づきつつあった。


【コメント】

 画像を取り込む際に、苦労した作品である。隙の無いストーリー展開と、ひとつひとつの場面が光っているため、絞りきれないのである。そのことで、この作品が、アクション・コメディとも言える作品であるのにもかかわらず、何度も見てしまう理由がわかったような気がする。

 音楽も完璧、ラジニも完璧、ミーナも完璧、ロージャは『もうちょっと美人なのになぁ』と思えるものの、センティルも最高!絶対のお勧め作品。基本的には、コメディで軽く仕上がっているように見えるものの、実は完成度は非常に高い。

 ちなみに、最後のアクションシーンで使われているホールは、『ナーラーダガーナ・サーバ』という名のホール。カルナーティック音楽のコンサートは、ここと『ミュージック・アカデミー』のホールが格式が高い。そんな由緒正しいホールを借り切って映画を撮るのは、やはりラジニならではなのかも。